ザイオン国立公園の宿などの話は、前回書いたのでよろしければぜひ。
予定をいっぱい詰め込むと、バタバタ慌ただしくなってしまうから苦手。なのでだいたいいつも、「1エリア1イベント」ぐらいの感じで、のんびり予定を立てがち。
とくにグランドサークルクラスの超人気観光地ともなれば、詰め込んでも詰め込み足りないぐらい見どころがあるので、あえて1イベントぐらいに絞ったほうが思い入れも深まるし、「なんかやり残したなー」みたいな消化不良感も出ない気がする。個人的に。
「ナローズ」と「エンジェルス・ランディング」どっちにするか
で今回、ザイオンでは「ザ・ナローズ」を歩くぞ、ということに決めた。
ザイオンで有名なトレッキングコースと言えば、この「ナローズ」か「エンジェルス・ランディング」が二大巨頭。それぞれの説明はGeminiさんよろしく。(折りたたみ)
ザ・ナローズ
高さ数百メートルの絶壁に挟まれた、わずか数メートルの川幅をジャブジャブと歩いて進む唯一無二のトレイルです。水に浸かりながらダイナミックに迫りくる峡谷を五感で楽しむ、ザイオンならではの体験が待っています。
エンジェルス・ランディング
キャニオンの底から約450メートルの高さを誇る、孤高の岩山の頂を目指す全長約8kmのスリリングなコースです。終盤は両側が切り立ったナイフの刃のような細い尾根になっており、設置された鎖だけを頼りに絶壁をよじ登ります。
エンジェルス・ランディングは所要4~5時間の長丁場、かつ山登り要素もあって体力的に無理そうー、ということでナローズに決めたのだけど、そうでなくても川の中をジャブジャブ歩いていくトレッキングなんてワイルド甚だしいだろ、これっきゃないだろ、という気持ちもあって、私の中では正直ナローズ一択だった。
1日で両方はさすがにしんどすぎるだろうし。当時(2015年)すでにミドサーだったし。
エンジェルス・ランディングは抽選制に
ちなみに、エンジェルス・ランディングは2022年から入場制限がかかって、抽選方式の許可制になったそうな。
それを聞くと登っときゃよかったかなーとも思うけど、ナローズはナローズで最高に楽しかったから、ナローズを選択しなかった世界線もまたもったいないし。まあ、人生ってそういうものよな、とつくづく思う。
なお、抽選は「Recreation.gov」というサイトを通じて実施されるとのこと。

ナローズには入場制限はない。だれでも行ける。ただし、川の下流から上流に向かってジャブジャブ歩いていくコースなので、増水などがあれば一時的に閉鎖になることはある。
特に春は雪解け水、夏は集中豪雨の影響で水位が上がりやすく、一方で秋は比較的閉鎖が少ないのだとか。このとき9月頭、ナローズ的にはちょうどベストシーズンだったかもしれない。
レッツ、ナローーーズ!
ナローズへはまず、ビジターセンターからシャトルバスに乗り換えて、終点「Temple of Sinawava(テンプル・オブ・シナワバ)」へ向かう必要がある。ちなみにシャトルは5~10分おきに周回していて、乗車は無料。ビジターセンターから終点までは所要約45分。
とにかくスケールがでかいので、スポットからスポットに移動するだけで、ちょこちょこ時間が削られる。やっぱりグランドサークルの旅は、想定より余裕を持ってスケジューリングするのがベストだと思う。体力の面でも。
テンプル・オブ・シナワバに着いたら、ここから川沿いの歩道を歩く。ちゃんと舗装された道なので、ここで体力削られるようなことはたぶんない。

で、30分ほど歩いた先に、ようやくナローズの入口がある。みんなが川原に降りて、じゃぶじゃぶと水の中に入っていくのですぐ分かる。「きたーーーーーー」となる。てか誰が最初にここをトレッキングコースにしようと思ったんだろうか。最初にナマコ食べた人すごいな、みたいな気持ち。
川の水って予想以上に冷たくて、最初こそ「冷た! やば! むり!」となるのだけど、ぐいぐい進んでいくとともに、だんだん慣れてむしろ気持ちよくなってくる。アドレナリン効果も絶対にある。
なんていうか、水着でもないのにジャブジャブ水に入っていく独特の背徳感のようなものもある。水着だったら、もしかするとアドレナリン半減したかもしれない。

ナローズ、どこまで歩くか
ナローズにはゴールらしいゴールはなくて、みんな自分の体力と相談しつつ、満足したら引き返す。私たちは1時間ほど歩いて引き返しただろうか。時間感覚をほとんど失っていてよく覚えていない。
川が二股に分かれるポイントがあって、そこまでが所要2時間ぐらいだそうで、私たちはそこまで行ってはいないので、たぶん片道2時間は歩いていないはず、という計算。

もしスタンプラリー的な感覚で旅をしていると、「ここまで行ったぞ」という達成感が何よりの報酬になるのだろう。ただその一方で、「ここまで行かなきゃ意味がない」という義務感と、行けなかったときの損失感もセットになっている気がして、ある意味なかなかストイックだなと思ったりする。
私にその手のストイックさはまったくなくて、感動の沸点も低めなので、たぶん2~30分じゃぶじゃぶ進んだだけでも十分満足できただろうと思う。というかもう、水に入った瞬間にアドレナリン全開放だったもの。あと、セロトニンもドーパミンもβ-エンドルフィンもあらゆる蛇口全開放だったはず。楽しすぎた。
その帰り、川沿いの歩道を少しそれて、流木に座って遅めのランチをとった。スプリングデールで買ってきたオーダーメイドのサンドイッチ。最高に美味しかったなあ。

時間を忘れて、ただの生き物になる
こうして書いているうちに、旅ごころがうずいてきた。ザイオンはラスベガスから近く、グランドサークルの中でも比較的アクセスしやすい場所だ。また訪問するのもありかもしれない。またじゃぶじゃぶしたい。
時間を忘れるって、本当に貴重なことだと思うのだ。社会という枠組みがカタリと外れて、一個の生き物になる。生きることに疑問を感じなくなる。その瞬間を数時間でも、数十分でも体感できることは、実に尊い。だからこそ、やっぱりグランドサークルでは時間に余裕を持っておきたい。この感覚を味わえることこそグランドサークルの醍醐味だと個人的には思う。

さて。最後に個人的なインフォまとめておきます。参考になったら幸い。
- 増水情報はどこで分かる?
ビジターセンターで。増水情報、コースの開放状況がチェックできる。
- どんな装備で行った?
ショートパンツ・Tシャツ・パーカー・アウトドアハット(あご紐付き)・キーンのアウトドアサンダル。
アウトドアサンダルはそのままじゃぶじゃぶ入っていけて、そのまま上がって、しばらくしたらそこそこ乾いていたので、かなり助かった。

これ。たしかキーンのニューポート ちなみにビジターセンターの辺りに「Zion Outfitter」というアウトドア用品店があって、ここでナローズ用の防水セット一式が59ドルでレンタルできるらしい。
ストリートビューでナローズを見ると、まさにこのレンタル用具一式でトレッキングに臨んでいる人も写っていたけど、多くの人はそこまでしっかり装備していない印象。
でもがっつり歩きたいなら、がっつり装備しといたほうがいいのだろうなと思う。
- 杖は必要?
杖はあるとたしかに便利。川が濁っているゾーンで、進行方向の深度チェックができる。ただ、そのへんに杖っぽい流木が転がっていたりするので、それを杖代わりにしている人もわりといた。私もその1人。
ちなみに友人は深度を見誤って、腰までドボンしていた。
これまたがっつり歩くなら、ちゃんとした杖(できれば木じゃなくて、ちゃんとしたの)がいいんだろうな。
- 他に良かったスポットある?
シャトルバス「Zion Lodge」で途中下車は、とってもおすすめ。小さなギフトショップやカフェもある。
トレッキング後にしばしまったりしたのだけど、芝生の真ん中に大きな木があって、みんな思い思いにくつろいでいて、周囲は赤い岩山に囲まれていて、ユートピアみをしみじみ感じた。
たしかここに「I Hiked the Narrows.」って書いたTシャツが売っていたと思うのだけど、どう考えても最高の思い出なのになぜ買わなかったのか。けっこう後悔している。

Zion Lodgeにて
- ザイオン国立公園
Zion National Park (U.S. National Park Service)
アクセスラスベガスから車で約2時間30分
入園料★America the Beautifulパス対象
スタンダードパス:徒歩1人20ドル/車両1台35ドル(いずれも7日間有効)+非居住者料金1人100ドル
ビジターセンター8:00am~7pm - ナローズ(The Narrows)
アクセスビジターセンターからシャトルバスで終点「Temple of Sinawava(テンプル・オブ・シナワバ)」下車
入場許可不要
所要時間ゴールがないので気分次第
おススメ度★★★★★
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