アメリカの国立公園の入園料は、けっこうバカにならない。というわけで今回は、お得にグランドサークルを巡るための共通入園パスの情報を、まるっとまとめておこうと思う。

「America the Beautiful」パスとは

まず、国立公園などの施設利用料に関しては、2026年1月から新料金体制がスタートしている。

具体的には、アメリカ居住者ではない「非居住者」に向けた特別料金が新設されたのだ。

「非居住者」向けの新料金体制
  • 対象11公園で、標準入園料+別途1人100ドルの追加料金が必要に
    対象の11公園Acadia、Bryce Canyon、Everglades、Glacier、Grand Canyon、Grand Teton、Rocky Mountain、Sequoia & Kings Canyon、Yellowstone、Yosemite、Zion
  • 公園共通パスでも、非居住者向け料金250ドルが新設(従来の料金は80ドル)

海外からの観光客はもちろんこの「非居住者」にあたるので、特別料金の対象になる。

対象11公園の中に「グランド・キャニオン」や「ブライス・キャニオン」、「ザイオン」などの人気施設が含まれており、たとえばこの3つをレンタカーで巡ると、各公園で車両料金35ドル+追加料金100ドルが必要になるので、135ドル×3公園で合計405ドル(1ドル=150円換算で、60,750円!)になる。痛い。

ここで、ぜひ利用したいのが公園共通パス「America the Beautiful」だ。先ほど挙げた3公園を含む2000以上の連邦レクリエーションエリアで使用することができる。

どこで使える?

対象施設の一覧は用意されていないが、一応このページで検索することができる。

施設検索ページ Places to Get Interagency Passes (U.S. National Park Service)

検索方法

たとえば、モニュメントバレーの入園料がパスの対象かどうか調べたいときは、以下のような2ステップになる。

STEP1
検索条件を選択して「Search」ボタンをクリック

モニュメントバレーはアリゾナ州とユタ州にまたがっているので、いったんアリゾナで検索してみよう。

まずは、「By State」に「Arizona」、「By Pass Type」に「Annual Pass」を選択する。「By Federal Agency」はデフォルトのままでOK。

選択したら、「Search」ボタンをクリックする。

STEP2
リストに対象施設があるかチェック

リストの中にモニュメントバレーがあるかチェックする。

なければ、念のため「By State」を「Utah」に変更して改めて「Search」し、同じくリストをチェックしてみる。

モニュメントバレーはリストに出てこない。つまり、「America the Beautiful」パスの対象ではないということが分かる。

ただし、「This list is not comprehensive.(このリストはすべてを網羅しているわけではありません)」という注意書きがあるので、この後、施設の公式サイトで再チェックするのがより確実かと思う。

カバー内容は?

「America the Beautiful」パスは、以下の内容が含まれている。

「非居住者」向けの内容
  • 料金1枚250ドル
  • 有効期限1年間
  • 適用対象
    徒歩の場合:パス保有者+同伴者3人
    車両の場合:車両1台であれば、パス保有者+同乗者全員
    (※なお、多くの場合16歳未満は入園無料)
  • 適用施設先述の検索サイト参照

料金比較

先ほどの3施設を訪れた場合を例に、標準料金とパス利用料金を比較してみよう。

「グランド・キャニオン」・「ブライス・キャニオン」・「ザイオン」を訪問。レンタカー1台に2人乗車した場合の入園料金

標準パスの場合「America the Beautiful」パスの場合
グランドキャニオン: 車両料金35ドル+追加料金2人分(100ドル×2人)=235ドル
ブライスキャニオン: 車両料金35ドル+追加料金2人分(100ドル×2人)=235ドル
ザイオン: 車両料金35ドル+追加料金2人分(100ドル×2人)=235ドル
1枚の「America the Beautiful」パスで、3施設の車両料金+追加料金(2人分)をカバー
合計2人で705ドル(105,750円)合計2人で250ドル(37,500円)

その差は68,250円(1ドル=150円換算)! 差額でちょっといいホテルに泊まれてしまうレベルだ。

一方たとえば、グランドキャニオン1箇所だけを訪問する場合、標準料金が2人で235ドル、パス利用料金が2人で250ドルになるため、「America the Beautiful」パスを利用しないほうがやや安上がり。

つまりこの場合、対象施設を2箇所以上巡る場合は、パス購入がお得ということになる。

アプリで計算してみよう

おおむね「America the Beautiful」パスを買ったほうがお得にはなりそうだが、一応、入園料金を比較概算できるアプリを作ってみたりなどした。よろしければ参考までに使ってみてください。

使い方

  1. 訪問する施設の数(「追加料金が必要な11施設」と「それ以外」)をそれぞれ入力してください。
  2. 車1台に同乗する人数を入力してください。
  3. 為替レートを入力してください。
  4. 標準料金とパス利用料金の差額が表示されます。

注意点

  • 車両料金・追加料金・パス料金は現時点(2026年)の金額を固定値として使っています。(変更されたらアプリ更新する予定です。)
    (固定値:車両料金35ドル・11施設の追加料金100ドル・パス料金250ドル)
  • 施設によっては料金体系が異なる場合があるため、あくまで概算としてお見積りください。

どこで買える?

「America the Beautiful」パスには、オンラインで購入できるデジタル版と、現地で購入できる物理カードがある。

デジタル版の購入方法

購入サイトRecreation.gov – Camping, Cabins, RVs, Permits, Passes & More

購入時にサイトアカウントを作る必要がある。

購入時のポイント
  • 携帯番号入力時は、先頭の「0」を取って、代わりに国番号「+81」を入れる
    (例)090-1234-5678 の場合 +819012345678
  • 「Commercial Operators」はツアー会社などがチェックする項目なので、個人購入の場合はチェック不要
  • 「Confirmation of Pass Type」は、「これは非居住者用のパスであること」を確認するチェック項目なので、チェック要
  • 「Need to Know」は注意事項を確認するチェック項目なので、確認してチェックする
  • 支払いはカード決済
  • 購入後すぐに使用することができる(と一応公式ページには書いてある)
購入時の注意点
  • パスは払い戻し・譲渡不可
  • パスは1人(パス保有者)に対して発行される
  • パスに記載された名前は、パス保有者の有効な写真付き身分証明書の名前と一致している必要がある
  • デジタル版を購入した場合、後から物理カードへの切り替えはできないので、物理カードが欲しい場合はデジタルカードを買わないように
使用時の注意点
  • パス保有者は、使用時は必ず本人が同伴し、有効な写真付き身分証明書を携帯している必要がある
  • デジタルパスを提示する際、電波が届きにくく、うまく表示できない場合があるため、PDFを印刷して準備しておくことが推奨されている

物理カードの購入方法

基本的には現地ゲート窓口で購入できるとあるが、施設によっては営業時間が限定的だったり、扱っているパスの種類が変わったり、在庫切れになっている場合があるそうなので、確実性を求めるなら事前にデジタル版を用意しておくのがベターかと思う。

でもカードのデザインが素敵なので、せっかくなら物理カードをゲットしたいという人は少なくないかもしれない(私もその1人!)。そこで物理カードゲット作戦を考えてみたので、よろしければご参考まで。

ゲット作戦①

現地窓口で物理カードをゲットできなければ、その場でデジタル版を購入する作戦。

  1. 現地窓口で物理カードがあるか聞く
  2. ないと言われたら、その場でデジタル版を購入する

この場合、窓口でもたもたしていると渋滞になって迷惑をかけかねないので、いったん手前の路肩にでも停めて、徒歩で窓口に行くのがよいかと思う。

電波が届きにくいと、オンラインサイトでうまく決済できない可能性もあるので、wifi環境をしっかり整えておく必要もありそう。

海外WiFiレンタルのグローバルWiFi(外部リンク)
ゲット作戦②

主にラスベガス出発する場合の裏技 「REI」というアウトドア用品ショップで購入する作戦。

「REI」は、America the Beautifulパスの認定販売代理店なので、こちらの店舗で物理カードが購入できる。

オンラインサイト REI: A Life Outdoors is a Life Well Lived | REI Co-op

全米で200店舗近く展開しており、ラスベガスにも数店舗ある。ただし、在庫があるか分からない。

そこで、オンラインショップで購入し、店舗受け取りにする作戦を提案したい。

  1. オンラインショップにて「national park pass」で検索し、非居住者用(NON-RESIDENT)パスを選択する
  2. 受け取りに「Pick up」を選択する
  3. Zip Codeなどで受取店舗を検索して選択する(Zip CodeはGoogleマップなどで確認できる)
  4. カード決済する

試しに受取店舗をソルトレイクやフェニックスの店舗に設定してみたのだけど、おおむね「在庫なし」だった。

一方、ラスベガスの2店舗に関しては、いずれも「In Stock(在庫あり)」になったので、ベガスは需要が高くて在庫が厚いのかもしれない。

なお、オンライン購入時にはアカウントを作成する必要がある。その際、有料(30ドル)会員に登録する流れになるが、「Not now(今は不要)」を選択すれば、会員にならずに購入画面に進むことができる。

なお、実際にこの作戦を実践したことはないので、もし参考にされる場合は個人の責任のもとで実践していただければと思う。

個人的には、もしまたグランドサークルを巡る機会があれば、ぜひこのREIで購入作戦を実践してみたい(実践したらまたレポートします!)。

記事内の情報は執筆時点のものです。最新情報は各公式サイトをご確認ください。